感動する心を育てよう

 お子さんは、自然の美しさや変化や、人の愛情や誠意に、どれほど感動されますか。
 強く感動する心を持ったお子さんの将来は、大いに期待できますが、幼児ですでにしらけていたのでは、先が思いやられます。
 以前、藤棚に甘い香りを漂わせてうす紫の藤の花が美しく咲いていた時、どこからか沢山の熊蜂が飛んで来て、園児たちの注意を引きました。そこで園児たちに、「蜂が、いいニオイがするが、どこかに花があるんだぞと、探しに来たんだよ。そして藤の花を見て、アッここにあった!なんて美しい花だ!きっと甘い蜜があるぞ。アッ甘い!って喜んで飛んでいるんだよ。」と言って、まだ開ききらない花を取って子房をなめさせたら、「アッ甘い!ほんとだ!」と、どの子も感動し、目を輝かせて、ほほえみました。
 感動の素材は、朝日、夕日、瞬く星、雨後の虹、誕生日のろうそくの光、愛情に満ちた童話……などと、親や教師が感動する心さえ失っていなければ、数限りなく見つかります。
 もし幼い時に、自然の美や真理や人の愛や誠に感動する心を育てなかったならば、後になって勉強だ修養だとやっきになっても、さっぱり効果がなく、学問や芸術、道徳や宗教の理解の乏しいつまらない人になることでしょう。

1982年2月

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