陽気な子を育てる努力

 人間は、太陽の子です。太陽の熱と光なしには、草木が育たないように、親や教師が陽気でないと、子どもはよく育たないのです。
 いつも笑顔をたたえ、明るく弾んだ声で話すお母さんには、悪い子はいません。冷たい顔で、陰気に話す人に会うと、この人の子どもは大丈夫かなと心配になります。
 秋や冬ばかりでは、草木は育ちません。とにかく、陰気になりがちな人は、自分のためにも、子どものためにも陽気にならねばなりません。少々辛いことや、いやなことがあっても、それに打ち勝つように元気を出し、陽気に振る舞っているうちに陰性を克服した深みのある陽性の人となります。そのような人こそ、もっとも親や教師に望ましいのです。
 人生は、春や夏ばかりではありません。病い、老い、死は必然にきます。また、偶然の不運が、いつ自己や親族を襲うかわかりません。それを覚悟しながら、陽気に力強く生きられる親や教師こそ、理想の親や教師であります。
 親は、子にこの世に生を与えたからには、子が生まれたことを喜ぶように、自ら陽気に生き、子を陽気に育てるように努めなければなりません。教師は、教職を選んだからには、自らも陽気に生き、子どもに陽気を育てねばなりません。

1981年7月

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