子どもの成長は素晴らしい

 子どもたちは本当に素晴らしいです。今、小学校へ行く前の子どもは大抵の方は満六歳を迎えておられる。もう六歳半という園児もいます。そういう子どもなどはすごい力を持っています。私は三歳児や四歳児には、運動の面ではまだ負けないと思っていますが、六歳児には運動面ではかないません。 何しろうちの園の年長さんになると、鉄棒は特に女の子がうまいのです。スカートの端で鉄棒をつかんで逆上がりを十五回連続してやります。そういう子が二、三人もおります。こんなこと私にしろと言われても出来ません。二回もするとフウフウです。それから横転して、回転したり、いろんな種類の縄とびをやってのけます。もうかないません。 数や文字や文章を書くのは負けませんが、体の方は追い越されてしまいました。入園して三年の間に子どもたちの伸び方は大したものです。 心の方も年長さんになると素晴らしいものです。ときには私に「園長、これしなさい」 こういうことを言います。ところが、そういう子どもの目が笑っているのです。言葉では「園長これしなさい」と命令口調で言って、目は親しみに満ちて笑っている。こういう心の使い方というのは年長さんになると出来るのですね。年長さんは泣いている年少児を見ると、「悲しいわね、悲しいわね」と言って「僕もそんなとき泣いたんだよ、でもまた元気が出てくるよ」と言って力づけている光景を見たりします。